【放浪恋愛】まりなの日記

【丈夫な体さえあれば、どこでも雇ってくれるよ…】

4月8日・晴れ

羽田沖の航空機着水事故で、我先に逃げてケーサツに逮捕された父は、事故のあと保護されまして精神鑑定を受けた…

精神鑑定の結果は、事故当時父はサクラン状態におちいっていたので不起訴になった…

不起訴にとはいえ、ムザイホウメンで自由の身になったと言うわけではなかった…

父が起こした着水事故が原因で、母は一流総合商社から出向か退職を迫られたし、父もパイロットをクビになってしまった…

アタシは、父が起こした着水事故が原因で学校に行くことができなくなったので、再びよその学校へ転校しなければならなくなった…

親戚がある布施の小学校は、どこの学校も『羽田沖の着水事故を起こした不起訴魔の男の子どもを受け入れたメーワクだから…』と言うことで受け入れをキョヒされたので、行く学校がなくなってしまった…

アタシは、一家が本州からうんと離れた南の島へ逃げ込んだのと同時に、島のドイナカの小学校へ転校となった…

父は親方日の丸のパイロットをクビになったし、母も総合商社をクビになったので、安定した収入と約束された将来をなくしてしまった…

父はそれでも、力強い口調でこう言っていた…

「親方日の丸のパイロットには最初から向いていなかったのだよ…そのことにやっと気がついた…これからは家族の幸せのために働くよ…なーに、丈夫な体さえあればどこでも雇ってくれるよ…丈夫な体が仕事の資格だよ。」

父は島の水産加工会社への再就職をした…

母は、専業主婦になって家族の幸せのために生きて行くと決意して、料理教室に通って料理のレパートリーを増やすためにがんばるというていた…

アタシは…

両親の言葉を信じてもよいのかどうか…

…とギシンアンキになっていました。
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