アナタと、キスと、銃声と。
わたしの世界

家の庭に咲いている桜が散る。


わたしはそれを見て庭に飛び出した。






「梨瑚さん、おはようございます」

「おはよー!」


「お!梨瑚さん、おはようございます。今日も、可愛く結んでもらったんですね」

「うん!しょーへーちゃんに!」






両耳の上で結ばれた髪の毛。


歩く度にふわふわ揺れる。


わたしの家にはたくさん人がいる。


丸坊主頭の男の人や、長髪、赤髪、モヒカン、腕や足に刺青が入った人などなど。


でもわたしにとっては普通。


怖くなんてない、みんな優しい。


わたしにニコニコの笑顔を向けて、いつも楽しそうに声をかけてくれる。


それに。






「お嬢、まだ終わってませんよ」






わたしの後ろから優しい声が降ってくる。


振り返ると、可愛いピンク色のリボンが着いたヘアゴムを持った男の人が立っていた。


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