アナタと、キスと、銃声と。
咲く花
「うーーーん……」
お父さんや翔平ちゃんが帰ってこなくなって1週間が経った。
未だに連絡なし。
連絡ぐらいしてくれたっていいのに。
「梨瑚?携帯出してると先生に見つかるよ?」
「分かってるけど…」
最後の授業が始まる前の10分休み中。
私に声をかけてくれたのは、学校で1番の仲良し水瀬日向(ミナセヒナタ)ちゃん。
少し茶色い短い髪の毛が外から吹いてきた風でなびかせながら、わたしの机までやってくる。
「まだ連絡来ない?」
「来ない…」
わたしの家のことも知ってくれてる彼女は、わたしが元気ないのを心配してくれている。
ほんとに可愛くて大好き。
待っても待っても来ない連絡に、わたしは嫌な予感しかなかった。
「何かあったのかな………あ!!」
どこからか手が伸びてきて、スマホを取られた。
ぱっと顔をあげると。