死者の舞踏〜最期のメッセージ〜
「大丈夫だ。一緒に行ってくれるのか?」

「ええ。少し興味があるわ」

如月刑事はとても嬉しそうな声を出す。藍はクスッと笑ってしまった。

待ち合わせ場所などを決め、藍は電話を切る。そしてお昼ご飯を食べなければと急いで部屋へと戻った。



仕事が終わり、藍はすぐに法医学研究所の近くにある公園へと向かう。如月刑事が車で迎えに来てくれるからだ。

公園に藍が行くと、すでに公園に如月刑事の黒い車が止まっていた。運転席のドアが開き、スーツを着た如月刑事が車から降りてくる。

「ごめんなさい。少し遅れてしまったわね」

謝る藍に、如月刑事は「いや大丈夫だ」と優しく微笑んだ。そして助手席のドアを開ける。

「ありがとう」

微笑む藍に、如月刑事は頰を赤くしながら言った。

「その服、よく似合ってるぞ」

藍は、青いシャツに黒いズボンを履いている。爽やかな印象の清楚なコーデだ。

「ありがとう」

車がゆっくりと走り出す。藍は初めて見るバレエの公演に、如月刑事は藍とのデートに、それぞれ胸を高鳴らせていた。
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