愛さずにはいられない
懐かしい日々
「かなり撮影はおしていますが今日から追い込みの一週間、よろしくお願いします。」
奈央はスタジオでスタッフやカメラマンたちに挨拶をしていた。

奈央が携わっている雑誌WOMANの冬の特集号の季節が来た。
冬号は一年の中の増刊号で最もページ数が多く、特集記事も多い。

奈央は特集を3つ掛け持ちさせてもらっていた。
その中の一つが撮影の佳境を迎えていた。

「桐ケ谷さん、次の衣装なんですけど・・・」
「桐ケ谷さん、メイクなんですけどモデルの結局に合わせるとこの口紅よりも・・・」
「奈央さん、ライトの確認お願いします。」
「セットチェックはいります」
奈央は目が回るほど忙しかった。

それでも任せてもらえることの量が増えて喜びも大きい。
「奈央」
その中でひときわ奈央の耳に響いて聞こえるのは仁の声だった。
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