君の子守唄

水族館

「ワァ!キレイ!!
あき君、小さいお魚がいっぱい!!」

イワシの群れに、大興奮の寧々。

兄貴と洋介は、ビデオとカメラに大忙しだ。

今日は、洋介の彼女の彩ちゃんも一緒にきた。

彩ちゃんは、咲の1つ上の先輩先生。

子供の扱いも咲以上に上手く、直ぐになついた。

母親は、ネグレクトだけじゃなく。

イライラしたら手もあげていたみたいで

寧々は、女の人は叩くと思い込んでいたみたいだった。

ここにきて、咲や洋介のおばさん会社の女性と接することで

女の人の中にも、優しい人がいるんだと覚えたようで

やっと初対面の女の人でも、固まらなくなってきた。

特に彩ちゃんは…………。

待ち合わせていたコンビニの駐車場で

子供が好きなシャボン玉を吹いて待っていた。

興味津々の寧々は………

「一緒にやろう!」と声をかけられ

シャボン玉にも彩ちゃんにも、スッカリ虜になった。

「咲ちゃん、彩ちゃん見て見て!!」

チンアナゴの動きにおおはしゃぎしていた寧々は

自分も指で、チンアナゴの真似をして見せている。

「上手!」

「子供の想像力って、ホントに感心する。」

先生目線の二人は、純粋な寧々に感動しっぱなしだ。

先生二人の目から見て

寧々が純粋に映るというのなら………

トラウマは薄れてきているのかもしれない。
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