翌日。

 わたしは一人で登校した。

 大河と同じ高校に入学出来て、毎日大河と登校していた学校──。

 だけど、原因不明でこうなってしまったからには、一人で登校するしかなかった。


「おはよう」


 大河とのことを聞かれたくなくて、平静を装った。

 いつも通り普通に挨拶をして入る教室。

 だけど、三年間同じクラスで、一緒に登校することを欠かしたことがなかった大河とわたし。

 一人で教室に入ったわたしに、クラス中がどよめいた。


「うさ、大河くんは??」

「えっ……」


 早速、声をかけて来たのは、同じクラスの三宅成葉(みやけなるは)

 二年生の時に同じクラスになって以来のわたしの数少ない友だち。

 特に成葉は、親友と言ってもいいレベルで仲が良くて、大河と成葉とわたしの三人で旅行に行ったこともあるほどだ。

「大河とは……」

 〝別れた〟──そのたった四文字が言えなくて、代わりに涙がひとひらポタッとこぼれ落ちた。

「うさ??」

「うっ……!!」

 たいが……。

 どうして?


 わけが分からないよ……。


 こんな曖昧な状況で、大河のことを忘れるなんて出来るはずがないじゃん……!!


「なる、は……っ」

 成葉にだけは事情を話そうとした瞬間、ガラッと勢いよく教室の扉が開いた。

 次の瞬間、ザワついた教室が更に騒がしくなった。

「たい……が?」


 目の前に居たのは、学年一……いや、学校一の美女の柳田瑠海(やなぎだるみ)ちゃんの腰に手を回しながら、教室に入ってきた大河の姿……。

 わたしは自分の目を疑った。

 だけど、更に追い討ちをかけるかのように、柳田さんの唇に、自分の唇を重ねる大河──……。