お前は、俺のもの。
鬼の助手

暑い。
本日の外の最高気温は三十五度。

自分の脂肪が焼かれるような休日は、絶対外出をしない。
一日中、エアコンの涼しい空気に身を任せ、テレビでお笑い番組を見て「あはは」と笑う。冷たいビールで喉を潤し、あたりめをかじる、至福の時間。
よれよれのTシャツと膝に穴の開いたジャージ姿の私に、母はため息をついた。

「三十歳になってもこんな生活じゃ、四十歳になっても一緒ね」と。


私は、干物を愛する女だ。




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