星の数より多く、君に愛を伝えたい。

「残念だったねぇ、関口さん」



うちのクラスに入ると、なつちゃんの話で持ちきりになっている。



「ねー。まあ、一部の男子からしたら嬉しかったと思うけど」



まあ、なつちゃんのことが好きな男の子もたくさんいるからね。



「大原さんのところは、成功したもんね」



「大原さん、クリスマスデートするのかねえ」



「いや、するんじゃない? カップルってそういうもんでしょ」



そういえば、クリスマスも近くなって来たからなぁ。



「おーはよ、輝美」



後ろからわたしの両肩に手を置いて来たのは、真帆だった。



「ああ、真帆。おはよう」



「こっちおいで!」



いきなり手を掴んだと思うと、真帆はわたしを誰もいない選択教室へと連行しだした。

そこには、莉音と花乃もいた。



「なつちゃん、失敗したんだってね」



「良かったじゃない、輝美!」



花乃と莉音は、まるで今から告白することを応援してるように言い出した。



「待って、わたし告白するとか言ってないよ!!」



「全くもう、いつまで自分の気持ちを隠すのよ! 本当に本当に、後悔しないの?」



両拳を腰に当てて、怒ったふりをする真帆。



「それは……」



「いつか絶対思い伝えようね! そうだなぁ、卒業まで! できれば、今月中! せっかくクリスマスがあるんだしね!」



莉音は歯を出して、ニコッと笑う。



「いやいやいや、待ってよ〜!」



今月中って、クリスマスって……。
もう3週間あるかないかくらいだよ!

卒業までっていうのでも、もう残り3ヶ月しかないし!


残り少ないわたしの高校生活、どうなっちゃうの!?





< 151 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop