星の数より多く、君に愛を伝えたい。

輝美side

【捨て子】


「吾妻くんだ!」



下校中、体育館を通ると莉音が声を上げた。



「本当だ! バレー部は、基本的に休みなしだもんね」



そういえば、吾妻くんはバレー部に入っていたんだった。
うちのクラスは背が高い人が少ないので、バレー部やバスケ部に入っている人はほとんどいない。


だから、わたしも全くと言っていいほどバレー部などとの関わりはない。


何気初めてかもしれない。
こうやって、よくバレー部の様子を見たのも。



「吾妻くん、左手でやってない!?」



花乃の言う通り、確かに吾妻くんは左手でボールを投げたりしている。



「吾妻くん、左利きなんだよ!」



莉音は、当然のように答えた。



「そうだったの!?」



わたしと真帆の声が重なった。
全然考えたこともなかったな。

ちなみに、わたし達は全員右利きだ。




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