星の数より多く、君に愛を伝えたい。

太一side


「あの人、捨て子なんだよね」



「そうそう」



このセリフを聞くたびに、いつもムカムカする俺がいる。

いつ誰が流したか分からないけれど、噂になっていることがある。それは、“望月が実の親に捨てられた”ということ。


一体誰がそんな噂を流したんだろう。
一番気になるのは、そこだけど釣られた奴らも釣られた奴らで、バカみたいに信じて高3のくせに自分の考えを持つ努力もなしかよ。


『捨て子』という言葉を耳にすると、あのぬれたような瞳をして俯く望月の姿。
あの姿を脳裏に浮かべると、俺まで泣きたくなってくる。


正直、俺は部外者だしなんの関係もないからなんて声をかければいいのかわからない。



「おーい、何やってんの」



俺の机に手をつきながら、新垣 海斗(あがらき かいと)が聞いてくる。



「おお、なんだよ」



「珍しいな。お前が、そんなぶすっとした顔すんの」



そんなことを言われても、もともと俺は爽やかな人間じゃない。



「いや、まあ……。その、最近いろんな噂飛び散ってんなあって」



「もしかして、望月の?」



「まあ、それもあるし」



まあ、他にも色々な話題があるけれど望月の噂が1番大きいからなあ。




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