いつか、きっと。
卒業はサヨナラ……?
修学旅行が終わると、あっという間に次の年を迎え三年生に。

なんとなく漠然としか考えていなかった高校受験が目前に迫ってきて、さすがに友也のことばかり考えている訳にもいかなくなってきた。

卒業かぁ。

中学の三年間なんてあっという間に過ぎ去って行ってしまう。

この三年間で私と友也に進展があることを期待したけど、それももう無さそうだと諦めムードだ。

せめて、同じ高校に行けたらな……。

そう思い勉強だって頑張ってきたのだ。

友也は頭がいいからきっと公立の進学校に行くんだろうと予想。

でも勉強を頑張れたのは、友也が分からないところを教えてくれたから。

受験勉強にかこつけ、友也にいろいろ教えてもらえば一緒にいる時間もできるし。

私にとっては願ったり叶ったりの状況。

友也も嫌がることなく、自分の手を止めてでも私が理解できるまで丁寧に教えてくれて、心強かった。

私の理解力も少しずつ上がっていったみたいだし、私が嬉しかったのはもちろんだけど、それよりも友也の方が喜んでくれてた。

テストの成績も少しずつ良くなってて、もうちょい頑張れば友也と同じ高校を受けることが出来そうだと思ってウキウキしてしまった。

「なあ、明日美はどこば受けると?」

きたっ!

私も友也に志望校のことをいつ聞き出そうかと考えていたんだよね。

友也から聞いてくれるってことは、友也も私と同じ高校に行きたいと思ってくれているのかも。

「うーんとね、教えて欲しか?聞きたかと?」

「うん、聞きたかけん聞きよるとけど」

そりゃそうか。

あんまり嬉しくて焦らしてみたりしたけど、そんなに勿体ぶらなくてもいいよね。

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