夜が明けるとき ~続・魔法の鍵と隻眼の姫

新たな戦いの幕開け

「うむ…ミレイア、そんなに見つめられると穴が開いてしまうわ」

ミレイアとラミンの婚約が認められてお祝いムードをさて置き、モリスデンに呼ばれ応接間に揃った面々。
国王王妃、トニアス、セイラスとリノン、ラミンとミレイア、ドリスター公爵とエルストン、そしてモリスデン。

ソファーに座るモリスデンの隣を陣取ったミレイアは、若返ったモリスデンを食い入るように見ていて、その隣にいるラミンは不機嫌極まりない顔でモリスデンを睨んでいた。

「ラミンに射殺されそうじゃわい」

皆に失笑されて居心地悪くなったラミンが咳払いをしてさりげなくミレイアの肩を抱きモリスデンから遠ざけた。

「で、ジジイ、何の話だ?」

「ジジイだなんて!モリーはもう若い姿でしょ?」

「それでも500歳の年寄りには変わりないだろ?」

「む…まあ、それも含め皆に聞いて欲しいことがある。その前にもう一人ゲストを呼んである」

言い合うミレイアとラミンを諌めモリスデンは持ってる杖をくるくると振り上げた。
そして何もない所から出てきた人物に皆が驚いた。

「あ、お前…」

< 21 / 169 >

この作品をシェア

pagetop