夜が明けるとき ~続・魔法の鍵と隻眼の姫

仲間探し

翌朝
広間に集まる面々。

「おはようございます!ドリスター公爵さま」

「お、おはようございます、ミレイア王女…」

広間に入ってきたミレイアは真っ先にドリスター公爵に挨拶をしてニコニコとモノクルを着けたその顔を覗き込む。

「いつもお父様とお母様の見方になってくれてありがとうございます!」

「は?はあ…」

積極的なそういう態度につい及び腰になってしまうドリスター公爵は何事かと目をぱちくりさせた。

もちろんミレイアを部屋まで迎えに行きここまで一緒に来たラミンは道すがら昨夜の国王と王妃の話を聞いている。
国王と王妃の馴れ初めだけでなく自分の両親の馴れ初めまで聞いたのは初めてで感慨深いがミレイアに見つめられどぎまぎしてる父がおかしくてこっそり笑った。


「さて、皆揃ったな。昨夜の通り、アルトバル、セイラス、トニアス、ドリスター公爵は他の国と連携を持ち、何か異変がないか情報を集めてくれ」

国王達は頷き広間を後にしようと踵を返すがモリスデンは呼び止めた。

「待て、お前達にこれを貸してやろう」

そうして取り出したのは二匹の妖精、エメラルド色の輝く髪の毛がつんつん立っていて虹色の羽が綺麗なメルリとモンシロチョウのような羽に短い灰色の髪に黒い目のトット。

「まあ!メルリにトットね!」

迷いの森であった懐かしい二人にミレイアが目を輝かせる。
ノニも飛び出してきて3人でくるくると辺りを回って見せた。

「伝達係だけでなく何かと使える。あとは瞬間移動はわししか使えんから外にはわしの馬も用意した。国と国を行き来するのにただの馬では何日もかかるからのう」

そう言って窓を開けた先には2頭の白と黒の羽の生えた馬がいた。
めったにお目にかかれない魔物に属する2頭の馬に皆驚く。

「あれは、ペガサスか?」

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