夜が明けるとき ~続・魔法の鍵と隻眼の姫

憎しみと葛藤

それから…

ノアローズに戻った一行は作戦の練り直し。
世界を乗っ取ろうとする敵がグラージャだと分かり居場所を突き止めんと皆必死で捜索している中、ミレイアを忘れ本来の目的も忘れたようなラミンは我関せずと言った(てい)で捜索には参加せず、普通に宰相補佐官としての仕事をしていた。

アルトバル国王は初めは呪いのせいと聞いてもラミンのミレイアに対する態度に激怒し婚約撤回だ!とわめいていたが、モリスデンとセイラスの説得によって保留となりミレイアとラミンは婚約者のまま。
しかしラミンは結婚なんて冗談じゃないと猛反発。
至るところから女性に声を掛けられ取っ替え引っ替え逢瀬を重ねている…らしい。

というのも、あんなに頑なに女性を近付けさせなかったラミンが応じるようになり遠巻きに見ていただけの女性達は喜んで、誘えばラミンはほとんど断らないという噂が大きく出回っていた。
ある女性は「王女が婚約者でも構わないわ!奪ってみせる!」と意気込んでいるという。

ラミンと仲の良かったデスタに普段のラミンはどうだったのか聞いてみると「来るもの拒まず去るもの追わず。恋愛を自由に謳歌していた」と言っていた。
今のラミンが本来の姿だと言える。

そんなラミンを変えたのはミレイアだった。
そのミレイアはというとラミンに避けられ近付く事さえ許されず噂が噂を呼んで一人歩きしているのも気付かずに胸を痛めていた。

セイラスやリノン、トニアスが励ましてくれるけど、やはり心穏やかではいられない。


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