クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました
必死の色仕掛け
  



 南部長が帰ったあとの我が家は大変だった。


『遙が嫁に行くなんて信じたくない』と半狂乱で嘆く父と兄。
 せっせとあずきを洗い大量のお赤飯を炊く準備をする母。
 そして憧れの人から突然プロポーズをされ夢見心地の私は、何度も部長と交わした会話を思い返しては熱くなる頬をおさえ身もだえていた。


 おのおのそんなふうに取り乱しているうちに、大量のお赤飯は炊き上がりあっという間に週末は過ぎ去っていた。




 そうして週が明けた月曜日。

 私はいつもどおり始業時間よりも早めに会社に向かった。
 一番に出社してフロアの掃除をするのが私の毎日の日課だから。


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