離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
明らかになる策略


翌朝、百々花が目覚めたとき、千景はすでに出勤した後だった。
きちんとセットした目覚ましが鳴ったのは覚えている。でも、あともう少しだけと二度寝したのがいけなかったのだ。

大事なフェアの朝なのに朝食はナシ、見送りもしないなんて妻失格もいいところだよ。自分だってかかわっていた仕事なのに……。

テーブルには【フェアの状況はあとで知らせるよ】と千景からのメモがあった。
誰もいないリビングに茫然と立ち、後悔に襲われる。

もう……本当にダメな妻だよね。

今回の仕事が済んだら、しっかり自分の気持ちを伝えようとしたところでこれでは、心象的にマイナスもいいところだ。
せめて今夜はおいしいものを作って彼を待とう。

気持ちを切り替え、百々花は出勤の準備に取り掛かった。

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