いきなり婚─目覚めたら人の妻?!─
想定外の人間関係
それからみんなで池崎課長夫妻の結婚記念日のお祝いをした。

今日で結婚8周年なんだそうだ。

池崎課長ファミリーは私の作った料理を美味しいと言ってたくさん食べてくれたし、安藤部長が買ってきたケーキも美味しかった。

食後は安藤部長が大樹くんと充樹くんの遊びに付き合い、池崎課長が子どもたち3人を順番にお風呂に入れた。

奥さんは「そのままでいい」と言ったけれど、その場にじっとしていられなかった私は、使った食器をキッチンに下げて洗い物をした。

子どもたちは遊び疲れたのか、お風呂のあとにすんなりと床に就いた。

本当は『洗い物も済んだし帰ります』と言いたかったけれど、時刻はまだ9時を回ったところだ。

これで帰してもらえるわけがない。

なぜなら、奥さんがお酒を用意して私を待ち構えているからだ。

子どもたちが寝たので、ここからは大人だけの時間らしい。

奥さんが安藤部長のグラスにビールを注ごうとすると、安藤部長は手でグラスに蓋をしてそれを遮った。

「俺、今日は車だから」

「そっか、じゃあ飲んで泊まってけば?」

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