いきなり婚─目覚めたら人の妻?!─
種明かしのあと
池崎課長と未来さんに見送られ、安藤部長の車に乗せてもらって池崎家をあとにした。
安藤部長は運転席でハンドルを握り、前を向いて黙り込んでいる。
池崎課長の暴露は相当こたえたらしい。
助手席に座って窓の外を見ていると、車内の匂いがこの間とは少し違うことに気付いた。
何が違うのかと車内を見回してみると、造りは同じでも全体的に何かが違う。
赤信号に差し掛かり、ブレーキを踏んで車を停めたあと、安藤部長はキョロキョロしている私を見る。
「どうした?」
「この間とは車の中の様子が何か違うような気がして……」
「ああ、車そのものが違うからな。この間真央と一緒に買いに行った車、今日の午前中に納車だったんだ」
なるほど、そういうことか。
この車はレンタルしていた車ではなく、安藤部長の新車なんだ。
「これからこの車で一緒にいろんなとこ行こう」
「……私なんかでいいんですか?」
「俺は真央がいい。この車の助手席は真央の指定席だからな。真央以外は絶対に乗せない」
「なんですか、それ……。たかが車の助手席くらいで、ずいぶん大げさですね」
安藤部長は運転席でハンドルを握り、前を向いて黙り込んでいる。
池崎課長の暴露は相当こたえたらしい。
助手席に座って窓の外を見ていると、車内の匂いがこの間とは少し違うことに気付いた。
何が違うのかと車内を見回してみると、造りは同じでも全体的に何かが違う。
赤信号に差し掛かり、ブレーキを踏んで車を停めたあと、安藤部長はキョロキョロしている私を見る。
「どうした?」
「この間とは車の中の様子が何か違うような気がして……」
「ああ、車そのものが違うからな。この間真央と一緒に買いに行った車、今日の午前中に納車だったんだ」
なるほど、そういうことか。
この車はレンタルしていた車ではなく、安藤部長の新車なんだ。
「これからこの車で一緒にいろんなとこ行こう」
「……私なんかでいいんですか?」
「俺は真央がいい。この車の助手席は真央の指定席だからな。真央以外は絶対に乗せない」
「なんですか、それ……。たかが車の助手席くらいで、ずいぶん大げさですね」