いきなり婚─目覚めたら人の妻?!─
逢引は会社の外で
安藤部長に頼まれた資料を作るために残業をしていると、いつもは定時で帰ることの多い東さんが珍しくオフィスに残っていることに気付いた。
残っていると言っても急ぎの仕事があるわけでもなく、パソコンとにらめっこをしているなと思ったら突然立ち上がり、なぜか事務用品やコピー用紙の補充なんかしている。
そんな地味で目立たない仕事はだいたいいつも私がひっそりとやっていて、東さんはこれまで一度もやったことがないのに、急にどうしたんだろう?
そんなの残業してまでするようなことかと、ちょっと不思議に思いながら入力作業を進める。
「小柴さんごめん、これさっき渡しそびれてた」
安藤部長が私のそばに来て、軽く肩を叩き声を掛けた。
肩に置いた手がわざとらしい。
入れ忘れた資料でもあったのかなと思いながら少し顔を上げると、安藤部長は私のデスクの上の資料にメモ用紙を乗せた。
【このあと食事でもしながらさっきの話の続きをしよう。会社を出て駅前のコンビニに着いたら電話して】
そんな伝言の下には携帯の電話番号が書かれている。
残業中で周りにはほとんど人がいないからまだ良かったけれど、こんなもの誰かに見られたらどうすんだ。
残っていると言っても急ぎの仕事があるわけでもなく、パソコンとにらめっこをしているなと思ったら突然立ち上がり、なぜか事務用品やコピー用紙の補充なんかしている。
そんな地味で目立たない仕事はだいたいいつも私がひっそりとやっていて、東さんはこれまで一度もやったことがないのに、急にどうしたんだろう?
そんなの残業してまでするようなことかと、ちょっと不思議に思いながら入力作業を進める。
「小柴さんごめん、これさっき渡しそびれてた」
安藤部長が私のそばに来て、軽く肩を叩き声を掛けた。
肩に置いた手がわざとらしい。
入れ忘れた資料でもあったのかなと思いながら少し顔を上げると、安藤部長は私のデスクの上の資料にメモ用紙を乗せた。
【このあと食事でもしながらさっきの話の続きをしよう。会社を出て駅前のコンビニに着いたら電話して】
そんな伝言の下には携帯の電話番号が書かれている。
残業中で周りにはほとんど人がいないからまだ良かったけれど、こんなもの誰かに見られたらどうすんだ。