いきなり婚─目覚めたら人の妻?!─
秘密の花嫁さん
新居に引っ越して通勤時間が短くなったこともあり、翌朝はいつもより少し遅い時間に起きた。
昨日食料品の買い物をしなかったので、いつものように朝食とお弁当を作ることができず、昼食は社員食堂で済ませることにして、朝食は創さんと一緒にマンションのすぐそばのカフェで食べた。
創さんはモーニングセットのタマゴサンドを頬張りながら、今日は会社でできるだけ一人にならないようにと言った。
この間みたいに航太に絡まれるのを防ぐためだ。
もし捕まってしまった場合を想定して、引っ越しの理由を聞かれたら、結婚式の費用を貯めるために節約したいから友人とルームシェアすると言っておくこと、そして何があってもお金は貸さないこと、と念を押された。
「お金を貸せない理由を聞かれたらどう返せば……」
「大学の奨学金の残りを一括返済した、って言うのはどうだろう。真央はまだ入社5年目だから、5年返済の奨学金なら残りの一括返済はできなくもない金額だと思うし、ちょうどいいと思わないか?」
昨日食料品の買い物をしなかったので、いつものように朝食とお弁当を作ることができず、昼食は社員食堂で済ませることにして、朝食は創さんと一緒にマンションのすぐそばのカフェで食べた。
創さんはモーニングセットのタマゴサンドを頬張りながら、今日は会社でできるだけ一人にならないようにと言った。
この間みたいに航太に絡まれるのを防ぐためだ。
もし捕まってしまった場合を想定して、引っ越しの理由を聞かれたら、結婚式の費用を貯めるために節約したいから友人とルームシェアすると言っておくこと、そして何があってもお金は貸さないこと、と念を押された。
「お金を貸せない理由を聞かれたらどう返せば……」
「大学の奨学金の残りを一括返済した、って言うのはどうだろう。真央はまだ入社5年目だから、5年返済の奨学金なら残りの一括返済はできなくもない金額だと思うし、ちょうどいいと思わないか?」