いきなり婚─目覚めたら人の妻?!─
甘い誘惑
翌日水曜日。
3時の休憩中にお茶を飲んでいると、安藤部長がトークアプリで【今夜も真央の手料理食べさせて】とメッセージを送ってきた。
なぜだかわからないけれど、私はずいぶん安藤部長から甘えられていて、安藤部長は私の平凡な料理をたいそう気に入っているらしい。
高価な食材を使うわけでも、見た目が華やかなわけでも豪華でもないのに、私の作り慣れた地味な家庭料理をそんなに気に入ってもらえたら、もちろん悪い気はしない。
私の作った料理を美味しそうに食べる安藤部長の顔を思い出し、少し口元がゆるむ。
作り置きしておいた大根と鶏の手羽元の煮物はあるけれど、前日と同じおかずだけではつまらないかと思い、別のおかずを作ることにした。
何を作ろうかと悩んだ末、安藤部長に【食べたいものはありますか?】とトークメッセージで尋ねると、返ってきたのは【真央】の一言だった。
それを見た瞬間、私は絶句してスマホを投げ出し、急激に熱くなった頬を思わず両手で覆った。
よくもまぁ、恥ずかしげもなくこんな冗談が言えるものだ。
さては、イケメンなら何を言っても許されるとでも思っているんだな?
3時の休憩中にお茶を飲んでいると、安藤部長がトークアプリで【今夜も真央の手料理食べさせて】とメッセージを送ってきた。
なぜだかわからないけれど、私はずいぶん安藤部長から甘えられていて、安藤部長は私の平凡な料理をたいそう気に入っているらしい。
高価な食材を使うわけでも、見た目が華やかなわけでも豪華でもないのに、私の作り慣れた地味な家庭料理をそんなに気に入ってもらえたら、もちろん悪い気はしない。
私の作った料理を美味しそうに食べる安藤部長の顔を思い出し、少し口元がゆるむ。
作り置きしておいた大根と鶏の手羽元の煮物はあるけれど、前日と同じおかずだけではつまらないかと思い、別のおかずを作ることにした。
何を作ろうかと悩んだ末、安藤部長に【食べたいものはありますか?】とトークメッセージで尋ねると、返ってきたのは【真央】の一言だった。
それを見た瞬間、私は絶句してスマホを投げ出し、急激に熱くなった頬を思わず両手で覆った。
よくもまぁ、恥ずかしげもなくこんな冗談が言えるものだ。
さては、イケメンなら何を言っても許されるとでも思っているんだな?