副社長の初めての相手は誰?
2 忍と絢

「なんで黙っていたの? 」

「だって…言ったら、お爺ちゃんやおばあちゃんの事、傷つけるって言ったから…」


 優は絢の傍に行った。

「絢。もういいんだよ、心配しなくて。良く判ったから」

「お爺ちゃん。…お母さんに、酷い事言ったの? 」

「あ…そ、それは…」


「お母さん、ずっと苦しんでいるの。お父さんの事、今でもすごく好きで。お母さん、誰とも結婚していないんだよ」

「そうだね…」

 優は何も言えなくなった。


「お父さん、あの人ね歩けるよ」

「え? 」

「見たの、ちゃんと歩いてるところ。それに、知らない男の人と一緒にこの家に入ってきてたよ」


 優と優輝は顔を見合わせた。


「嘘だと思うなら、防犯カメラ見てみて」

「分かったよ絢。疑ったりしないから、心配しないで」

 優輝はそっと、絢の頭を撫でた。


「お父さん、私。明日からしばらく、優衣おばちゃんの家に行ってもいい? 」

「ああ、構わないよ」


「良かった。じゃあ、お父さん。明日は、病院に一緒に来てくれる? 」

「分かった。ちゃんと診てもらおうな」

「うん」

 絢は満面の笑顔で微笑んだ。





 話しが終わると、絢は今日は優輝と一緒に寝たいと言い出した。


 優輝の寝室には春美が入って来る事もある為、絢の部屋で一緒に寝る事にした。


 絢の部屋は鍵がついていて、春美が入って来れないようになっている。


 春美は今夜は友達と会ってくると言って、まだ帰ってきていない。


 
 久しぶりに、穏やかな宗田家。
< 12 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop