悔しいけど好き

危険な奴

朝、鷹臣の置いてった鞄を持って会社に行くと早朝にもかかわらず奴は椅子に背を預けそこにいた。
昨日会社でねと言った私の言葉を律儀に守ってうちに寄らずにここで待ってたらしい。
眠ってるのか腕を組み下を向いてる横にそーっと近寄りどん!と重い鞄を机に置いた。

「おはよう。鞄忘れてくとか、社会人としてあるまじき失態よね」

「凪…」

びくっと肩を震わせ顔を上げた鷹臣にワザと皮肉を言ってにやりと笑ってやると情けない目で見つめられ奴は突然立ち上がった。

「昨日は…ほんとごめん!」

頭を下げる鷹臣に目を瞬かせる。
様子を窺うようにゆっくり顔を上げた顔は正に捨てられそうな子犬みたいで思わず笑ってしまう。

「そこで笑うとか…いや、笑うなり怒るなりどうにでもしてくれ。ほんとに全部おれが悪かった」

片眉を上げちょっと不機嫌になった鷹臣は開き直ったたように胸を張る。
全然反省してるように見えませんけど?

「何その態度、反省が足りないんじゃないの?」

「う…ごめんって…反省してるから」

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