恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!
1.高校デビュー
白波瀬杏(しらはせあん)side~

『おまえ!何先行ってんだよ!』

碧斗(あおと)から来たLINEを既読無視する。

もう、絶対下僕なんてやめてやるんだからっ!
今日から下僕は卒業するんだからっ!


今日から高校生になったわたし…


結局…
小6で碧斗に下僕宣言されてから…
中学の間はずっとさからえなかった幼馴染の高崎碧斗(たかさきあおと)
小6のときから、中3の卒業まで、ずっと惜しげも無くわたしを下僕として扱った。


「俺に逆らうなんて100年早いんだよ。バーカ。はやく荷物持てよ。」

「俺の分の弁当作ってきただろうな。作ってなかったら今すぐ帰って作らせるぞ。」

「今日は俺帰るまでに俺の部屋掃除しとけよ。」

「あ、ごめん。喉乾いたから、ジュース。」


……


わたしが碧斗から解放されるのは、碧斗がサッカーやってるときと、女の子とデートしてるときだけ…。

その間だけは好きなお菓子作りしたり、大好きな恋愛ドラマ見たり…

碧斗はずっとサッカーやってて、中学ではクラブチームにも入るくらいうまくて、いつでも彼女はきらさないくせに、勉強もできるから、きっと高校は進学校行くに決まってる。

だから、そんなに頭良くないわたしは、高校行ったら碧斗から永遠に解放されるんだ…

もうちょっとの我慢…

そう思ってた…
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