エリート弁護士は独占愛を刻み込む
5、キスマークー恭吾side
「皆さん同級生って聞いてますけど、高校が一緒だったんですか?」
テーブルの前で手を組んで俺と晶と涼太に尋ねる葵に晶がにこやかに言う。
「みんな幼稚舎から一緒なのよ。まさか大人になっても同じ職場で働くとは思わなかったわ」
俺と晶と涼太と、そして葵の四人は、今日裁判で勝ったお祝いに焼き肉を食べた後、バーにやって来た。
奥のテーブル席に俺と葵が並んで座り、その対面の席に涼太と晶が座っている。
「幼稚舎ってことは幼馴染じゃないですか。それに私立ですよね?みんないいとこのお坊ちゃんなんだあ。晶さんはいつから女装するようになったんですか?」
葵が晶に目を向けたが、晶が答える前に涼太が俺に確認した。
「確か高校の文化祭じゃなかったっけ?」
涼太の言葉に昔を懐かしみながら頷く。
「ああ。晶が女子にウェディングドレス着せられて、周りの男子が本物の女子と思ってて楽しかったよ」
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