歌舞伎町ボーイズ
第3章
     3
 2019年10月30日午後4時56分。


 俺とコウジはスーツに着替えて、クラープの店内にいた。


 ホストは多数集まっている。


 今夜も大勢の客が来るだろう。


 コウジが、


「ケン、店長からライン届いた?」


 と訊いてきた。


「何のライン?」


「今夜、店にビップが来るから、失礼のないようにって」


「ビップ?ちょっと待て」


 スマホを取り出して、ラインのアイコンをタップすると、確かに店長のジュンからラインが一件届いている。


 ビップって誰だ?
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