Dangerous boy
第2章 その男、危険につき
あれから、3日過ぎた。

相変わらず、高藤部長への返事は、保留のまま。

考えても考えても、答えはyesなのに、頭に思い浮かぶのは、あのバーテンダーの尚太君の顔ばかり。


「……ろ、心!」

「えっ?」

振り返ると、同僚の環奈が後ろに立っていた。

「ちょっと、コピーの枚数、合ってるの?」

「枚数?」

コピー機の画面を見ると、桁が一つ多い。

「きゃああ!」

慌ててキャンセルのボタンを押したけれど、コピーした枚数は、73/100。


本当は10枚でよかったのに。

私は、残りの63枚のコピーを見て、ガックリ。


「何だ?また倉本がドジったか?」

「部長!」

環奈の言葉に、私は飛び上がるほど驚く。

振り向くと、高藤部長が私達を見下ろしていた。


「部長……」

「倉本。何枚、ミスった。今のうちに言え。」

「……63枚です。」

「えっ……」

部長と環奈が、引きつっている。
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