甘味好き御曹司とお見合い結婚!?

「夏乃ちゃん、今ならなんでも買っちゃいそうだから欲しいものは遠慮なく突っ込んでね! もう、可愛くてしんどい……」

そんな言葉に私も顔を赤くしつつも買い物をして帰宅した。
現在私の部屋にはクマのペアと可愛いネコの三体が並んで壁際のチェストの上に飾られている。
よくよく考えればこの三体だけでかなりのお買い物になるのに、お土産のお菓子や可愛いカップやハンカチまで買ってしまって和美と行く時より大胆な買い物をしてしまった。
しかも支払いは頑として私には出させてくれず、高峰さんが全て支払ってしまった。
お会計も行ってくるから見ててと、金額も見せてくれないスマートさでサクッとなされてしまいお財布を出す暇もなかった。

なので、買い物中の会話を思い出して私は買ってもらったものを受け取りつつ自宅に送ってもらって車をおりる前に改めてお礼を伝えたのだ。

「ついつい、目に入るとアレもこれもってなってこんなに買って貰っちゃって……。ありがとうございます。大切にします」

微笑んでお礼をいえば、高峰さんは私の頭に軽く手を置いてポンポンとするとにこやかに笑って言った。

「今の夏乃ちゃんの言葉と笑顔があれば、一緒に出かけて楽しめたし充分だよ。また、一緒に出掛けてくれる?」

その問いに私はしっかりと高峰さんを見つめて返事をした。

「はい、次は高峰さんの好きなところに行きましょうね」

そうして、別れて一人部屋で今日の出来事を振り返る。
ぬいぐるみ三体は、上手く並べられた。
私はその写メを撮り、高峰さんにメッセージを送った。

「今日はとても楽しかったです。ありがとうございました。次に会うのを楽しみにしています」

男の人と出かけて、それを楽しめて次も会いたくなる。
この気持ちがなんなのか、私はようやく気づいたのだった。

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