浮気男のシンデレラ

穂花浮気を嫌う理由。




イケメン好きな穂花
確かに好きな物は辞められない。
しかし穂花はイケメン好きなのに
イケメンを警戒している。

だから用も無いグルグル伊達メガネを
愛用している。

自分への戒めの為に。


「あーキタキタ、節操無いイケメン」
穂花の囁くような声に顔をあげる。

向こうから武蔵野病院跡取りの
武蔵野 蒼太が何人かの同僚を従えて、歩いて来る。


紺色のスーツに
キャラメルブラウンの髪を今日は
ツンツン立てて
今日はどこぞにお出かけか?

彼はかなりのモテ男だが、病院内の
スタッフには手をださない。

綺麗な女医先生も、看護士さんも
沢山いると、思うのに、彼なりの
決め事か?


仕事も真面目で手厳しいときいた。
外科の腕はかなり良くて
彼目当ての患者も沢山いるようだ。
評判は凄くいい。

しかしイケメンはイケメン
白衣をぬぎすて、病院を1歩出ると
本来のチャラ男になる。



陽和の脳裏にカフェのジャンケンポン
ポンが甦る。
美人争奪戦のジャンケンポンポン

ケッ と笑いが込み上げてくる。

子供かよ。

あのジャンケンを病院のスタッフに
バラしたい。

武蔵野蒼太は数多い従業員の一人一人
の顔を知るはずも無く、外科と、
あんまり接触の無い穂花や、陽和と
面識もない。

それに今は私服だし一般患者と
間違われても仕方がない。

蒼太はコンビニに寄りコーヒを、買っ
た、湯気の上がるコーヒを抱え
ドカドカと陽和と穂花の方へと
やって来た。


席に付くと可愛らしい童顔な顔を
綻ばせ隣の席から声をかける。

「〃あれっ‼君はラズベリーカフェ
にい た、慶一道の知り合いの子
じゃない?」


「いえ、違います。」

「俺、ここの外科医だよ。
どっか悪いの?
風邪!」

「いやだァ!先生、
日和はココの、ボカツ」
イタイイタイToT

「アハハ人違いです。😭」
穂花は弁慶の泣き所をなでながら
つぶやいた。

「人違い?グフフフ、慶一道があんなに
デレてたのに?
慶一道のあんなん見たからビックリ
したよー。
だからよーく覚えてるよ。」

穂花は陽和に蹴られた足を撫でながら
「陽和はカフェには、勤めてませんよ。
だって陽和はこの病ボカツボカツ」
イイター・;'.、グハッ

「何かの間違いですぅ。
イタ๑✖﹏✖๑」

「イヤイヤイヤ、そりゃあ無いワ
慶一道マジで必死こいてたし。

なんなら慶一道やめて、俺にしな
よ。
君の事可愛なって思ってたし。

だけどサ、慶一道がさ・・・
だからみんなで、君に手出すの
やめたんだよ。
ね、僕にしなよ。」

そばに居た先生達は〃またか〃 と言う
顔をしてニヤニヤしていた。


「イヤイヤ、彼には彼女いますし
ラブホ街にいましたし、
私の事なんて何でもないですよ。」



「ほーらバレたよ。
やっぱりカフェの彼女だ。」
彼はドヤ顔で笑った。

イケメンの癖に迫ってくる
やはりイケメンの迫る顔は半端ない。
くるりとした目に長い睫毛
ニッコリ微笑む唇はトロントロンになるの
も無理はない。

成程と納得した上であえて厳しく言う。
コイツらには厳しく言う人がいないか
らだ。

《《《軽いヤツ‼》》》
「W誰にでもそうなの?
あなたがたにとって、

デートしない?
お茶飲まない?
食事いこうよ。
映画いかない?・・・は?


おはよー
元気だったー
こんにちは、
こんばんは
さよならー

と同じ、挨拶、挨拶‼」

“そうだ、そうだ‼“

穂花も援護射撃してくる。

「私達それくらい知ってまーす。
貴方達にコロッと落ちる奴ばかり
じゃねーよ。あしからず‼」


「おっ時間だ急ごう」
彼はフフッと笑い
「面白いな!」

そう言うと
残りの、珈琲をガブっと、飲んで

「また、カフェ行くからね。」
そう言い残して軽く手を振り去ってい
った。

後ろ姿を見送りながら穂花は

「チイックショョョウ、
カッコイイねー。
あんなんが嫌いなんだー‼」

穂花は元旦那さんを思い...出した!
のか・・・、いちごミルクのストローを
食いちぎっては、ペッペ
食いちぎっては、ペッペ



「・・・・・・・・・分かるょ穂花ドンマイ」

ヨシヨシ。





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