死者の体温〜最期のメッセージ〜
リユニオン
不審死という結果に終わった解剖から数日。藍は、研究所に向かう支度をしていた。

如月刑事に依頼された骨は全て組み立て終わり、あとはDNA検査の結果を待つだけだ。早く結果が来ないかと藍は待ち続けている。

アレクサンダー・エドモンドは、今でもたまに研究所に顔を出してくれる。いつアメリカに帰るのか、大河が訊いても教えてくれなかったそうだ。

「……今日はどんなご遺体と出会うのかしら」

ご遺体の歩んできた道は、全員違う。その人たちの物語は違う。その人たちを大切に思っている人たちも違う。

「今度は、きちんと聞き取れるようにならないと」

法医学の勉強をし直そうと藍は準備を続ける。その時、スマホに電話がかかってきた。大河からだ。

「もしもし」

「藍さん!今、大丈夫ですか?」

どこか慌てた様子の大河の声に、藍は首を傾げる。

「大河くん、どうしたの?」

「あの……DNA検査の結果が届いてました。それで、結果を見たんです……」

「そうなの?やっときたのね!」
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