俺様紳士と甘えた彼とのハッピーエンドの選び方
8話「分岐点」





   8話「分岐点」




 2回目に訪れた祈月の店では、スタッフさんとも会話を楽しみながら、和気あいあいとした雰囲気で過ごした。
 2人きりにならなかった事にほっとしつつも、おしゃれなバーで働いている人達がみんなキラキラしていて、かっこよく、可愛く見えた。
 見た目で判断してはいけないと思いつつも、自分も少しは綺麗にしないといけないなと反省してしまった。
 忙しいのはみんな一緒で、ルールの中でおしゃれをしたり綺麗にしたりしているのだ。自分にも出来るはず、と彩華は1人でやる気になっていた。


 「ねーねー。彩華さんは、祈夜さんの事どう思ってるの?」
 「え………?」


 スタッフの一人の男の人にそう声を掛けられらる。彩華よりも年上で髭をはやしたかっこいい大人の男の人だ。祈夜は常連のお客さんに呼ばれて今は違うところで話しをしていた。


 「どうって………優しいなと思います。その、口は悪いけど」
 「ははは!確かにそうだな。けど、彩華さんの言う通りあいつは優しいんだ。見た目によらず………だから、まぁ……仲良くしてやってくれ。あんな性格だから友達も少ないし、恋人も作ろうとしない。だから、彩華さんを連れてきたって聞いた時は驚いたんだ」
 「………そうなんですね………」


 祈夜の意外な話に、彩華は驚いてしまった。
 優しくて気さくは彼はスタッフにもお客さんにも愛されているのがわかった。それなのに、友達も少ないというのは思いもしなかったのだ。


 「付き合うにしても、付き合わないにしても、ずっと関係は続けてあげてほしいんだ。あいつはいい奴だよ。………ただ、少し変わってるぐらいで、ね」
 「変わってる………?」



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