絶対的Beast
全員?

まだ3年生が引退する時期じゃないのに、強豪で人気の高いはずの紅海学園のサッカー部に3年生が一人もいないのには違和感があった……。

でも、どうして……。

「まぁ僕もサッカー部じゃないから全部を知ってるわけじゃないけど……」

……っ。

橘花先輩……いつものエンジェルスマイルでも、さっきまでの怒り顔でもない……。

少し憂いのある視線でグラウンドを見下ろしている。

私は、そんないつもと違う大人っぽい橘花先輩の表情にそっと息を呑んだ──────────

* * *

資料を配り終えた私は、橘花先輩と別れ、まだ部活が行われてるグラウンドへと歩いていた。
< 230 / 376 >

この作品をシェア

pagetop