絶対的Beast
依織先輩と2人して声のした方に顔を向ければ、爽やかな仮面を被った悪魔の姿が。

うぅ~!

「そろそろ散水終わらせて、次の準備手伝ってくれないか?」

口調も表情も優しくて、(はた)から見れば好青年。

……だけど私は、本性を知るだけに、その取ってつけたようなエセ爽やかさに口元が引きつってしまう。

この……悪魔!

なんでこうも邪魔ばっかり……。

「は……はぁい!」

しかし、不本意ながら私には、YESという選択肢しかない。

この大和先輩の願いを聞かないなんて、周りからすごい目で見られるに決まってる。

それに、依織先輩にも『葵唯って優しくないんだな』なんて思われても嫌だし。
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