身代わり婚~偽装お見合いなのに御曹司に盲愛されています~
第二章 玉響の約束  期間限定の同居ってなんですか?
私はもやもやした気分を引きずったまま、月曜の通勤ラッシュの満員電車に乗り込んだ。
なんとか窓際を死守すると、小さく息を吐く。
今日も同じく冷え込んでいて、天気予報は雪のマークもついていた。
どんよりと曇った空がさらに私の気持ちを落ち込ませた。

流されるようにホームに降りると、一気に冷たい風が肌にふれ私はギュッとコートの襟元を引き寄せる。

「礼華、おはよう」
駅を出たところで、不意に後ろから聞こえた声に、振り返ると同期入社ので友人の真壁明日香に笑顔を向ける。
「おはよう、明日香」

私の勤める、SOWA不動産は全国のマンションや土地を扱う大手の会社だ。
ビル事業部や用地開発、法人事業部などたくさんある部署の中で、私は住宅管理部企画管理課のアシスタントをしている。

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