見ツケテ…
授業中
あたしと知樹だけじゃなく、美奈と直弘の2人も昨日は全然眠れなかったようだ。


登校してきた2人は顔色が悪く、いつもの元気もなかった。


「知樹は大丈夫なの?」


休憩時間になっても突っ伏したままの知樹を見て、美奈が心配している。


「知樹も昨日は眠れなかったんだって。そっとしておいてあげようと思って」


本当はすごく心配だったけれど、今は声をかけない方がよさそうだった。


昨日のことをあたしたちと話したくて無理して学校へ来たのかもしれないけれど、ちゃんと休んだ方がいいように見えた。


「今日は体育の授業もあるもんね」


教室の連絡板に張り付けてある時間割を確認して美奈が言う。


「本当だ、忘れてた……」


あれだけ衝撃的な出来事があったから、今日の授業のことなんてスッカリ頭から抜け落ちていた。


一睡もしていない体で運動ができるかどうか、自分自身にも不安があった。

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