ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方
∫4:空っぽになったセンセイ



【∫4:空っぽになったセンセイ 】


“大切な存在” と入江先生に言わしめた蒼井。
羨ましくなんかない・・・とは言えないけれど
やっぱり嫉妬という感情は抱けなかった。

蒼井はバレー、上手くて
強豪校でも充分通用する人なのに
弱小チームのウチの高校にいても
いつでも一生懸命だから
バレーを離れると
どこにでもいるちょっとおとぼけで
かわいい後輩でもあるから


「蒼井、レフト側のブロック、もう少しストレート寄りで。」

「でも、入江先生、クロスに抜けたスパイクのレシーブ、どうします?」

「美咲にレシーブさせればいい。」

「了解です。」


入江先生が蒼井は大切な存在と稲葉先生に打ち明けたあの時から今でも
体育館のバレーコートの中で見る限り、入江先生と蒼井の関係に変わった様子は見られなかった。



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