ラヴシークレットスクール ~消し去れない恋心の行方
∫6:10年前の彼女の影


【∫6:10年前の彼女の影 】




「高島はホイップ追加とかしないのか?」

ウエディングドレスを無事購入後に立ち寄ったカフェでホットコーヒーを飲みながらそう言ってきた入江先生。

いつになく頭を使った後だったあたしは
大好物のショコラシフォンケーキを注文。
目の前に置かれたそれにフォークを投入しようとしていた。


『えっ?!特に追加とかしませんけど・・・』


突然のホイップ追加しないの?発言に
フォークの動きが止まった。

今日の入江先生はいつになく
どこまで不思議ちゃんすぎて。


「そっか。好みもあるしな。」

『・・・・はぁ。』




普段は授業とか生徒のこととかのやりとりぐらいしかしてない入江先生とあたし。
カフェでのんびりコーヒー飲んだりシフォンケーキ食べたりとかってまずあり得ないあたしたち。
こんなプライベートの顔、ダダ漏れの入江先生も初めてで。
あたしはフォークを口にくわえたまま彼をじっと見つめてしまった。

そんなあたしの反応をかわそうとしたのか入江先生はシフォンケーキを指差してこう言った。


「コレ、食べ終わったらこの後も一緒に行って欲しいところがあるんだけど。」

『へ?』

「時間、大丈夫?」



午後4時すぎ。
男と女の関係になると勘違いするにはちょっと早すぎる時間。
でも、今日の入江先生は不思議ちゃんすぎて。
どうなるかわからないあたしは・・・


「すみません~!!!!!このシフォンケーキにホイップ追加して下さい!」

すぐさま店員さんを呼んで
時間稼ぎをすることにした。
少しでも自分の頭の中を整理するために・・・。


そんなあたしがおかしく見えたのか

「高島、無理するなよ。」

『へ?』

「伶菜さんはとことん甘党なだけだからな。」


逆に心配されてしまった。


って、伶菜さんって誰・・・・?!



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