死者の闇〜最期のメッセージ〜

今回は事件性があるかはわからないので任意となります、と藍は言い村松かけるの妻から離れる。一人で考えてもらった方がいい。

藍はポケットからスマホを取り出す。そして、誰に連絡しようか少し迷った後、大河に電話をかけた。

「藍さん！大丈夫なんですか？」

あの日以来、藍から誰かに連絡をしたことはない。大河は驚いた声を出したが、すぐに嬉しそうな声に変わる。きっと、大河は無邪気に笑っているのだろう。

「実は、不審死のご遺体が……」

藍が説明すると、「ちょっと待ってください」と大河は会話を中断する。そしてしばらくしてから「藍さん！」と言った。

「正人さんの許可は取りました！俺、そっちに行きます。助手をさせてください！！」

大河の言葉に藍は嬉しくなる。すぐに「ええ、お願い！」と言った。今度は嬉しくて泣きそうになる。

青磁を失い、メスを持つことが怖くなっていた。研究所の誰かがいてくれるだけで心強い。