死者の闇〜最期のメッセージ〜
心配そうに大河と如月刑事が言う。藍は如月刑事がいることに驚いた。

「どうして如月刑事が……?」

「こっちの警察と協力することになって来たんだ。実は、お前がいない間に何人もの遺骨が見つかっている。これはもう事件としか考えられないだろう」

「今回の遺体もその事件と関係があるということ?」

ドクン、と藍の心臓が音を立てる。青磁の生きていた頃のこと、青磁の骨、そしてぼんやりとした青磁のお葬式のことが頭に浮かぶ。青磁を殺した犯人は、多くの人間の命を奪っているということだ。

「それは解剖次第になるだろう。だが、もしも殺人だった場合犯人を逮捕すれば自供するかもしれない」

「霧島さん、一緒に頑張りましょう!」

藍に、如月刑事と大河が力強く笑う。藍も頷き、覚悟を決める。

明日、藍は久しぶりにメスを手にする。久しぶりの仕事だ。珍しく緊張している。

「必ず、最期の言葉を聞きます」

藍がそう言うと、如月刑事と大河は安心したように笑った。
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