死者の闇〜最期のメッセージ〜
「それじゃあ、私が殺したことにならないじゃない」

冷たく言う福山美里に、藍は如月刑事の言いかけたことを話す。

「あなたは、フグ毒の解毒剤を研究していた。フグ毒を手に入れられる。そして、フグ毒のことを誤魔化すために劇薬を盗んだ」

「面白い推理ね」

福山美里は笑い、藍に「でも残念!」と勝ち誇った目を向ける。

「青磁くんは骨になった。骨になった遺体の死因なんてわからない。私がやったという証拠はどこにもないの。私を逮捕したいのなら、証拠を持って来なさい!!」

その言葉に、藍はまた言葉を震わせる。

「あなたが、お兄ちゃんたちを?」

「さあ、それはどうかしら?」

福山美里はくるりと藍に背を向け、歩き出す。藍はその背中を何も言わずに見つめていた。

その目には、もう涙はなかった。
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