身長差30cm、年の差12才、この恋あり

仕事仲間は大切です

中々帰ろうとしない私に聖夜はイライついて、圭吾君と私の間に割り込んで座った。



「おい、美莉。」



聖夜に耳を引っ張られた。



ちょっと、待ってよ。


パソコン操作を教えてもらってるのに。



何怒ってるの。



「圭吾君に近づき過ぎ。」



パソコン操作を教えて貰ってただけですけど。


そう、言いたいのをぐっと我慢した。



「圭吾君と彼女を食事に誘ってみたの。でも、作るのは聖夜だけどね。」



「何、勝手に決めてんだよ。俺の都合とか聞かない訳。」



それは、そうだけど、聖夜が駄目って言わない自信があった。



「ごめんなさい。」




美莉はずるいよと聖夜が笑う。



どういう意味。



「美莉には敵わない。圭吾君と彼女さんの都合のいい日に合わせるよ。」



ありがとう。



聖夜は本当にいい男。



「その変わり、今夜は寝かさないからな。」



耳元で聖夜が呟いた。



ちょっと、待って、それと、これは、問題が違うと思う。



圭吾君がクスクス笑っていた。



「店長、顔が真っ赤ですよ。俺も勇気出して彼女誘ってみます。」



二人して、年上女をからかわないで下さい。



経験不足の私はどう対応していいのか分かりません。



でも、なんだか嬉しく思えたのも確かで、思わず顔がにやけてしまった。



「圭吾君、美莉には不思議な力があるみたいだからさ。この前も駄目になりかけてた、カップルを復活させたし。」



不思議な力なんかない。



ただ、あのままでは駄目だと思ったから。



お互いの素直な気持ちをぶつけないと、本当の気持ちは伝わらないと思う。



「聖夜が言うの分かる気がする。自分の意見をはっきり言える事や、相手に本気でぶつかる事は中々真似出来ない。」



それって、誉めたれたりしてます。



「店長は男前です。」



男前って男ぽいってことなの。



それだけは、勘弁してほしい。


聖夜も笑いすぎだから。









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