花はいつなんどきも美しく
いつだって美しい
悠之介にプレゼントされたネックレスをつけて、鏡を見る。


似合ってるかどうかはわからないけど、素直に嬉しくて、会社でも見てしまう。


「聡美がネックレスしてるとか、明日雨降るんじゃない?」


後ろから愛子に声をかけられた。


今出社してきたらしい。


「……そんなに?」
「今までアクセサリーとか興味なかったでしょ」


それもそうですね。


「てことは自分で買ったとは考えにくい……誰にプレゼントされた?」


鋭いな、この人。


「ママさんですよね」


私の代わりに答えたのは、園田雪だった。


なぜ知っているとは言わない。
どうせ真司に聞いたんだろう。


そうではなく。
なぜお前が言う。


「へえ、聡美、ママと付き合ってるんだ?」


わあ、やな笑顔。


「ずっと好きでいてくれた真司じゃなくて」
「え、知ってたの?」
「そりゃ、真司わかりやすいし」


てことは、知らなかったのは私だけ……?


それはないだろ、私。
いくらなんでも鈍すぎる。


そうやって自分を責めていたら、愛子が思いっきりデコピンをしてきた。


「いった。何すんの」
「あんたが恋愛に興味ないのも、鈍いのも、みんな知ってる。そうやって真司に申し訳ないって思うほうが最低」
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