さよなら、片想い
3.嫁ぎ先、絶賛募集中なので是非とも!
 宏臣の電撃結婚について、おめでとうと口々にそう言っていた友達も、時間が経つにつれ、芸能ニュース並みの関心しか示さなくなっていた。


「そういえば宏臣の結婚だけど、まだ式の案内とか来てないよね? ていうか、うちらって呼ばれるのかな」

 久々の土日休み、女友達の車でショッピングに出かけた。三人でランチを食べながら、そんな話題になった。

 挙式用に着物をこしらえているのだから、式は納期より後だというのはわかっている。
 でもそれって他の人に言ってよかったんだっけ? 
 宏臣は盛り上がっていたけれど、わたしにもそこらへんがよくわからない。


「年明け早々に海外旅行の申し込みしちゃっていいかなあ。ブッキングしても海外からの電報ならあいつ、喜びそうじゃない?」

「旅行いいね! あたしも行きたい。国内でいい」

「温泉とかね」

 スケジュール帳を出したもののお互いに予定が合わず、泊まりでどこかへ行くのは難しそうだった。少なくとも年内は。

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