珍しく真剣な目をして、ホタルはアカリを見つめる。

テーブルを挟んだ先にいるアカリは俯いて座っている。



「……帰れなんて、言うな」

掠れたような声を出したホタルに、アカリはようやく顔を上げる。

アカリから目を逸らし、床を見つめるホタルの姿に、アカリは瞳を揺らす。

「つーか、帰れねぇし」

そう言って目を合わせるホタルに、アカリはきょとんとする。


「未来から来たってこないだ知ったろ。俺、どうやって帰るんだよ」

「……確かに」

そう言って真剣に考えはじめるアカリの姿に、ホタルは安心したように息を吐く。

「泉にまた沈むとか」

「あ、危ないわよそんなの」

絶対だめ、と眉を上げるアカリにホタルはにぃっと笑う。

「でもそうやってこっちに来たんだしよ」

「うーん。そもそも、どこに住んでるの?」

首を傾げるアカリに、ホタルは同じように首を傾げながら答える。

「森の奥にある村。妖怪しか住んでねぇの」

「森の奥ね。だったら、普通にそこへ向かってみたらどう?」

「普通に?」

「普通に」

ホタルは目を瞬かせ、そして考えるように視線を巡らす。