かすみ草の花束を。
出会いの公園
小枝side
私には、大好きな人がいる。
その人は一つ年上の、"黒崎純先輩"
高校の入学式の日、私は先輩の笑顔を見た。
その笑顔が忘れられなくて
その笑顔を近くで見たくて
そんな気持ちを抱いたのは、初めてだった。
出会ったあの日から、私は先輩に恋をしているんだ…ーー
「黒崎せんぱーーーい…っ!」
学校へ登校中の朝、校庭で先輩の姿を発見して大声で叫ぶ。
「………」
先輩は私の声に振り返り、心底嫌そうな顔をした。
先輩の顔には明らかに、"またかよ"の文字が。
だけどそんなのお構いなしに、私はダッシュで先輩のもとへと走る。
「好きです! 今日も大好きです!!
付き合っ」
「無理」
花咲小枝、15歳!
本日も先輩に即答で断られました!
黒崎先輩に毎日のように会ったら告白し、告白してはフられ、だけどやっぱり会ったら好きだと伝えたくて、フられた(拒否られてる)ことなんて数知れず。
「俺の半径1メートル以内に近づくな」
「先輩っ! 今日もかっこいいです!
朝から会えるなんて光栄です! 今日も1日頑張れます!」
「…はぁ…いいかげんにしてくれ」
黒崎先輩がこうして私に溜息をつくのは、もう習慣みたいになっている。
そんな風に私に呆れている先輩も、かっこよくて死ぬほど好きだ。