あまい・甘い・あま~い彼が見つからなくて

どうやらご縁があるようです

受け入れ患者の処置を終え、私の今日の勤務は終わりだ。

緊張がとけた私は医局のソファに身を沈めた。

「はぁ」

思わずでたため息と同時にスッと目の前に温かなコーヒーが差し出された。

「お疲れ」

「ありがとう…お疲れ様です」

コーヒーカップを手にした大翔が私の目の前に腰を下ろした。

無表情を装っている大翔が実はイライラして不機嫌なのは長年の付き合いの私にはよくわかった。

はるとと再会して思わず頬を染めた私を見ていた大翔は、私たちの関係を知りたくて仕方がないのだろう。

それは、大翔だけではなく居合わせたスタッフ全員が気にしていた。

彼の発言は意味深だったし、携帯番号を手渡してきたのだから。


どうやって説明しようか私の頭か整理できていないのに、目の前に不機嫌な大翔が座って目を細めて私をじっと見つめてくる。

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