黒と白の境界線〜心理学者の華麗な事件簿〜
終章 犯人と復讐心
最初に殺された赤坂巴、次に殺された森山礼司、そして千田薫には共通点があった。それは、同じ劇団のメンバーだったということ。

「やはり駿河雅彦が一番怪しいじゃないか!」

末良刑事はそう言い、ペラペラと推理を話す。京は黒いファイルを取り出し、ページをめくっていた。

「××劇団って、あの人もいたところですよね?岡夏輝!」

遼河がそう言い、ペラペラ喋っていた末良刑事は「岡夏輝?あの自殺した?」と言う。京は「きちんと調べたんですか?」と呆れてしまった。

「しかし、その劇団の人間が何人か自殺したり殺されているのか……。呪われているのか?」

末良刑事はそう笑う。確かに、そう思う人間もいるだろう。京は考える。俳優の岡夏輝から始まり、次に彼の弟が行方不明に、そして次々と劇団にいた人間が殺されてーーー。

「えっ……」

京は頭に手を当て、考える。最初の事件から不自然を感じていた。否、もっと前からかもしれない。初めて一緒に食事をした時から、どこかで違和感を感じていたのだ。
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