黒と白の境界線〜心理学者の華麗な事件簿〜
劇団、行方不明、殺人、シャーロック・ホームズ、毒蛇、毒殺、刺殺……。

京はキーワードを頭の中に並べ、整理する。そして心理学で犯人像をまた新たに分析する。そしてーーー。

「……そういうこと……」

京は、犯人の正体に気付いた。



それから数日、京は言うべきかどうか悩んだ。

犯人をかばうつもりはない。どんな理由かはわからないが、人を殺すことは大罪だ。ただ落ち着く時間がほしかった。

その人物と過ごした時間は長い方だ。身近にいる人物が恐ろしい犯行をしていたなど、京は気付いた刹那驚きを隠せなかった。

夜の七時。その日は互いに非番だが、京はその人物を近くの公園へ呼び出した。

「待たせましたか?」

京にその人物が話しかける。京は振り向き、いつものように微笑んだ。

「私は、あなたが犯人だと推測しているわ。答え合わせをしましょう。明智遼河くん……いいえ、岡冬人さん」

「……は?」

呼び出した人物ーーー明智遼河は首を傾げる。
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