探偵さんの、宝物
二章【楓堂探偵事務所へようこそ】

一節【僕の願い】

 三度目に出会った時、ただもう一度話したいと思った。
 食事に行ってそれが叶ったのに、全く満足出来なかった。

 無理やり閉じ込めた気持ちは一度解放されると暴走する。
 もし彼女に恋人がいたとしても、どんな形でも良いから側にいてほしいと願うようになっていた。

 ……我ながら、危ない奴の一歩手前だと思っている。
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